今なぜレーザー白内障手術か?

今なぜレーザー白内障手術か?

フェムトセカンドレーザー白内障手術は現在もっとも革新的な白内障手術方法です。
単にレーザー白内障手術ともよばれます。

レーザー白内障手術は「眼科医の手に頼った手術ではない、器械による白内障手術方法」です。
精密な白内障手術を行うために開発された最先端機器によって切開などを行うことで、従来の眼科医の目と手による手術にくらべて、はるかに精密で正確に行うことができます。
レーザー白内障手術の登場は、ここ20年間での白内障手術法の進歩のなかで、もっとも大きな進歩といえます。

従来の白内障手術は人間である眼科医の目で見て、その目測で距離や深さを判断し、同じく人間の手で組織の切開や縫合を行っていました。
現在でも消化器外科や呼吸器外科、脳神経外科、心臓血管外科などほぼすべての外科手術は人間の目で見て目測で判断し、人間の手で行っています。
そう聞くと、「手術を人間が行うのは当たり前ではないか」と思う人がいるかもしれません。しかし人間の手による手術には限界があり、器械で精密にできることであれば、どんなに熟練した技術でも、機械にはかなわないのです。レーザー白内障手術はOCTスキャンという近赤外線を用いて眼球の構造を立体的に分析する検査装置がついており、その結果をもとにレーザー光線がミクロン単位の精度で切開を行います。
そのためレーザー白内障手術では、人間の目で見て人間の手で操作する手術にくらべて極めて精度が高く、思い通りの位置、深さ、大きさで切開することが可能になります。レーザー白内障手術は従来の手術の限界を超えることが出来る手術なのです。

白内障手術では目印になる組織の位置から何ミリの場所に切開を入れるとか、この組織と隣の組織の中間の位置に器具を挿入する、などの決まりがあります。
「この位置から何ミリ」というのを定規のような器具で測定できればいいのですが、白内障手術はとても小さな傷口しか作らないので眼球内に定規は入れられません。したがって通常の白内障手術では水晶体の上の切開の大きさを目測で判断して行います。その結果、その切開の大きさや位置は一例一例まちまちになります。
切開の形についても、たとえば紙や段ボールなどをまっすぐに切りたいときには切りたい位置に定規をあて、その定規にカッターを沿わせて切れればある程度はまっすぐに切れます。しかし目の中でそのようなことはもちろん出来ません。目の中の白内障手術をする部分は非常に狭く、傷口も小さいので定規を入れることもできません。したがって目の中の手術はすべてフリーハンドで行わなければいけないのです。たとえば白内障手術の重要な操作のひとつに前嚢切開があります。前嚢切開は水晶体の表面の前嚢という薄い膜を直径約4.8mmの円形に丸く切り抜く作業です。この作業は白内障手術の成否を分けるといってもいいほど重要です。なぜなら円形に切れずに周辺に切れ上がってしまうと眼内レンズが入らないことすらあるからです。円形にできたとしても、理想よりも大きな円形になれば眼内レンズが傾いて十分な視力が出なかったり、場合によっては眼内レンズがずれてしまうこともあります。じっさいに従来の人間の手による白内障手術では、このようなことがありました。白内障手術に精通した眼科であっても、白内障が強く進行して真っ白あるいは茶色などになっている場合や水晶体を保持している組織が弱い場合には、前嚢切開を正確に行うことが困難でした。

レーザー白内障手術ではこのような進行した白内障でも、前嚢切開を正確に行うことが可能になります。レーザー白内障手術での前嚢切開は、眼球の構造を赤外線を用いて立体的に画像化してその結果をもとにフェムトセカンドレーザーが水晶体の表面を切開します。したがって白内障が進行して真っ白になっている症例に対しても、水晶体の表面の位置やカーブを見極めることができるのです。それに対して人間の目による手術の場合には、真っ白な水晶体の表面の構造はよく見えません。たとえるなら、真っ白な雪景色の中で、同じく真っ白な雪だるまを見つけるようなものです。レーザー白内障手術においては、進行した白内障の手術の際にも前嚢の位置を正確に把握することができるので正確に手術を行うことができます。

通常のレベルでの白内障手術においても、レーザー白内障手術では人間の手による手術よりも正確な大きさで前嚢切開をすることが可能です。1000分の1ミリ単位の精度で切開を行うことが可能なので、眼内レンズに合わせた大きさで切開できます。その結果、レーザー白内障手術では人間の手による手術よりも眼内レンズの傾きや位置のずれが少ないことが論文で発表されています。

近年さまざなまテクノロジーが生み出されています。レーザーという光をつかって組織を切るということは数年前には想像もできなかったことです。それが今、現実のものとなったのです。

監修医師 山﨑 健一朗

院長紹介

院長資格

  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 日本で初めてフェムトセカンドレーザー白内障手術を開始
  • 2017年 著書「人生が変わる白内障手術」出版
  • 多焦点眼内レンズ使用症例を4,958件以上
  • フェムトセカンドレーザー白内障手術4,752件以上
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